タイで実際にあったニコイチ車両について

タイで中古車購入前に知っておきたい,日本とは違う「ニコイチ車(接合車)」の危険性と見抜き方

タイで生活を始めると、移動手段として中古車の購入を検討される日本人の方は少なくありません。

「できるだけ購入費用を抑えたい」
「数年間だけ乗る予定だから中古車で十分」

そんな理由から中古車を選ばれる方も多いでしょう。

タイには状態の良い中古車も数多く流通していますが、日本とは異なる中古車市場ならではのリスクが存在することも事実です。

私は日本で長年、大手中古車オークションの車両検査に携わり、その後タイでも数多くの中古車査定・車両検査を行ってきました。

その経験の中で、特に注意していただきたいと感じるのが「ニコイチ車(接合車)」です。

外観だけでは判断できず、一般の方では見抜くことが非常に難しいケースも少なくありません。

今回は、実際の検査現場で確認した事例をもとに、「ニコイチ車」の実態と、中古車購入時に確認していただきたいポイントをご紹介します。

実際に確認した2つの接合パターン

① ピラー切断タイプ

ピラー交換と切断箇所と再溶接痕(運転席より撮影)

フロントピラーやセンターピラー、ルーフ部分を切断し、別の車両の部品を溶接して接合する方法です。

外観はきれいに修復されていても、本来メーカーが設計した車体剛性を完全に再現することは困難です。

万が一、横転事故や側面衝突が発生した場合、本来の乗員保護性能が十分に発揮されない可能性があります。

② 車体を前後で切断するタイプ

 運転席ドア下部の再溶接痕(運転席より撮影)
再溶接修正痕(後部座席外側から撮影)

車体を前後で大きく切断し、それぞれ別の車両を溶接して接合するケースです。

骨格そのものを人工的につなぎ合わせているため、大きな衝突時には設計どおりの衝撃吸収性能が期待できない可能性があります。

なぜ危険なのか?

自動車メーカーは、衝突時にどこが潰れ、どこで衝撃を吸収し、どのように乗員を守るかまで計算して車体を設計しています。

そのため、一度切断されたボディを溶接して接合した車両は、外観がきれいでも本来の安全性能を完全に再現することは難しいと考えられます。

普段の走行では問題なく見えても、万が一事故が起きた際には大きな差となる可能性があります。

中古車選びでは、「走る・曲がる・止まる」だけでなく、「もしもの時に家族を守れるか」という視点も非常に重要です。

購入前に確認したい2つのポイント

① ウェザーストリップを少しめくってみる

再溶接画像(室内側から撮影)

ドア開口部のゴム(ウェザーストリップ)を少しめくることで、通常は見えないピラー内部を確認できます。

次のような痕跡が見られる場合は注意が必要です。

  • 不自然な溶接跡
  • パテの盛り上がり
  • 塗装の境目
  • シーラー処理の不自然さ

これらが確認できた場合は、大きな修復歴や接合が行われている可能性があります。

② 相場より極端に安い車には理由がある

中古車市場では、

「なぜこの価格なのか?」

という視点を持つことが大切です。

極端に安い車には、

  • 大きな事故歴
  • 水害歴
  • ニコイチ車(接合車)
  • メーター改ざん

など、何らかの理由が隠れている場合があります。

もちろん、すべての安い車が問題車両というわけではありません。

しかし、「安いからお得」と判断する前に、その理由をしっかり確認することが重要です。

タイで中古車を安心して購入するために

タイには、適切に整備され、安心して乗れる良質な中古車も数多く流通しています。

一方で、今回ご紹介したように、一般の方では判断が難しい修復車両が存在することも事実です。

中古車は高額なお買い物であると同時に、ご自身やご家族の命を預ける大切な乗り物です。

少しでも不安や違和感がある場合は、その場で購入を決断するのではなく、第三者の視点で車両状態を確認してもらうことをおすすめします。

まとめ

中古車選びで本当に大切なのは、「価格の安さ」だけではありません。

安心して長く乗れる一台を選ぶことこそ、結果的に満足度の高い買い物につながります。

クルマ相談窓口では、タイで中古車をご購入・ご売却される日本人のお客様に向けて、車両状態の確認や中古車選びのアドバイスも行っています。

「この車を購入しても大丈夫だろうか?」
「修復歴や事故歴が気になる」

そのようなご不安がありましたら、お気軽にご相談ください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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